日本のTV: ラジオ局、携帯電話向けTV放送に危機感

地上波テレビのデジタル化が着々と進む中、ラジオ事業者が危機感を募らせている。2006年にも始まる携帯電話向けテレビ放送が、実用化が遅れているラジオのデジタル放送と同じような内容になりかねないためだ。22日に開かれた総務省の「デジタル時代のラジオ放送の将来像に関する懇談会」でも、「このままではラジオは持ちこたえられない」などと悲痛な声が上がった テレビの地上デジタル放送は昨年12月に始まり、2011年には現行のアナログ放送が終了、全面的にデジタル化される。ラジオの地上デジタル放送は、テレビのアナログ放送終了で空く周波数帯域が利用される予定だ。  ラジオでは、現行のアナログ放送が災害時の緊急放送、地域情報の提供に役立っていることから、将来も存続することが決まっており、デジタル放送は全くの新チャンネルとして番組が編成される。その“本命”として考えられたのが、携帯電話などの移動体端末で受信、デジタルラジオならではの高音質放送で、動画や文字情報も見られるサービスだった。  ところが、テレビの地上デジタル放送でも、周波数帯域の一部を利用して移動体端末向けに映像や文字情報を送ることができ、サービス内容はラジオのデジタル放送と競合することになる。この「携帯デジタルテレビ放送」は今月中に技術規格がまとまる予定で、再来年春にも放送がスタート。遅くとも2007年中には全国でサービスが始まる。  受信可能地域が予定よりも早く拡大しているテレビの地上デジタル放送に対して、ラジオのデジタル放送は、昨年10月から東京・大阪地区で実用化試験放送が始まったばかり。将来のチャンネルプラン(周波数割り当て計画)が決まっていないため、受信機開発が遅れ、市販機がないのが実情だ。  懇談会に出席した亀渕昭信・ニッポン放送社長は、移動体向けサービスがテレビとラジオで似てくる点を認めた上で、「携帯電話向けのテレビ放送は、(家庭用テレビ向けの)ハイビジョン放送をそのまま放送すべき。そうでなく独自サービスを考えているのならば、別の放送免許という新しい制度を導入すべきだ」と強調。テレビ事業者によるラジオ事業者の圧迫を懸念する。  また、NHKの和崎信哉理事も「携帯電話向けのデジタルテレビ放送で何ができるか各方面の期待が大きく、この流れは止められない」と指摘。ラジオが不利な立場に置かれている現状を憂慮する。  懇談会では来年3月までにチャンネルプランなどに関する意見を取りまとめる。本格的なデジタル化時代を迎えて、テレビとラジオがどうすみ分けるかが大きな課題。放送事業者間の生存競争が激しくなってきそうだ。 (読売新聞)

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