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マイケル・ジャクソンの無罪は米マスコミに大きな反響を呼んだ。というのも、各メディアは陪審団による審議が10日間と長期化したことを「有罪の兆し」と判断、禁固刑が科された場合の収監先など「有罪」を前提とした記事が目立つようになってきていたからだ。しかし判決は無罪。今回の裁判のケースでは検察側には控訴が許されていないため、これで完全に無罪となった。ちなみに陪審員の二人は判決が出た当日の夕方に･･･ （続く→）CNNの「ラリー・キング・ライブ」に出演し無罪評決で合意した理由を語った。 テレビ出演した陪審員は、陪審員長ポール・ロドリゲズさんと陪審員のハルトマンさん。 彼らは、有罪とするには「合理的な疑いの余地」がまだ残されていたと説明し、検察側には、起訴事実を支える証拠が不十分だったことを挙げた。また被害少年と家族が、過去にも法廷で嘘を付いたことがあり、少年の「証言内容が十分に信じられなかった」と述べ、被告とその家族が陪審団に与えた印象が良くなかったことを語った。 一方で、ハルトマンさんは個人的意見としながらも「マイケル・ジャクソンは少年を性的に虐待するような人物ではあると思う。法廷で出た色々な証言内容からして、彼が子供と一緒のベッドに毎日寝ていて何もしないというのは、考えられない。ただし、起訴されていた罪状について、絶対に有罪だと言い切れなかった」と述べた。 無罪放免となったマイケル・ジャクソンだが、今回の裁判で受けた「傷」は大きく、トップスターの今後の道は険しいと言われている。「今回の裁判は疑わしきは罰せずの無罪。和解金を支払った93年の性的虐待疑惑でイメージが大きく低下したが、今回の裁判でさらに彼の商品価値は下がった、今後、以前のように人気を回復するのは難しいだろう」と見る音楽関係者もいる。なお今回の裁判で多額の弁護士費用がかかったこともあり、米メディアではマイケルの財政危機が報じられている。 ･･･今回の事件は、03年2月に放映されたマイケルの日常を描いたドキュメンタリーが発端だったと言われている。 この番組の中で、マイケルは今回被害者とされた少年を抱き、一緒に寝ていることを明らかにした。 これに対しメディアから批判が起き、以前からマイケルの少年虐待疑惑を追っていた地元捜査当局が捜査に入った。 そして裁判が始まると、米を始めとする世界中のメディアは、 連日の出来事を、まるで世界を揺るがす大事件のように報じた。 マイケル・ジャクソン裁判は、まさしく、メディアで始まり、 メディアで終わった一幕のショーだった。 主演の二人（マイケルと少年家族）は大役を終えて疲れきり、 勝った側も、負けた側も、気が付けば多くのモノを等しく失っていた。 ただ1人メディアは無罪という、 これだけ注目を集めた裁判にしては冷静な結末に、 「もっともっと続編を作りたい」と、不満顔なのである。