日本のTV:日テレ「バンキシャ!」で起こったこと

16日辞任した日テレの久保社長は、「真相報道バンキシャ!」の今後について、「社長が辞任した以上、現状のまま続けることはないだろう」と打ち切りの検討を示唆した。社長退陣まで発展した、今度の騒動を改めて検証してみよう。まず発端は、昨年11月23日に放送された回で元建設会社関係者を名乗る人間が「岐阜県の担当者から『工事をやったように見せかけ、裏金を捻出してくれ』といわれた」「200万円送金した」と・・・ (続く→)匿名で証言したことに始まる。この証言は後日、系列局の中京テレビのニュース番組でも放送された。ちなみにこの証言が収録されたのはは11月中旬ごろ、中津川市内であった。 この証言を検証するために岐阜県側では、約2カ月かけて大規模な調査を実施。県内11の土木事務所の職員ら約380人から事情を聴取したり、平成20年度分を中心に計955件の工事契約内容を再点検した。その結果、「裏金の事実は確認できない」との結論に達し、日テレサイドに対して、今年2月報道内容の検証を求めた。 日テレが元会社役員に再取材を行った所、虚偽の証言だったことを認めたため、日テレは県に謝罪し番組内で誤報の経緯を説明した。岐阜県警は今月9日、偽計業務妨害容疑で、元会社役員を逮捕した。 証言者はアンケートサイトの質問に回答し、日テレから出演依頼を受けたといい、過去に複数の報道番組に証言者として匿名で出演するなどし、数千?2万円の謝礼を受けた経歴があるという。 虚偽の証言を行った動機としては「出演の謝礼がほしかった」ため証言を行ったと警察に語っているという。 さて上記の問題に関して、久保社長は以下のように記者会見の席で答えた。 Q 取材に対して金銭の授受はあったのか?  久保社長「(情報提供者への)金銭の授受はないと報告を受けている。ただし虚偽証言をした人物は捜査当局の手中にある。今後どのように捜査に対して供述をするか分からないので、これ以上は言えない。裏取りうんぬんだけを問題にしているわけではない。公的機関の裏金作りについて情報があった場合、どのような取材をするべきか、どう取り上げて、どう放送としてまとめて完成させるか、視点を含めてすべての問題。報道局長は『最後の詰めがあまかった』といっているが、これは多少舌足らずだった。最後の詰めだけではない。だからこそ私は職を辞したいと言っている」 Q 社内調査は?  久保社長「三通りの方法で進めた。報道局長が報道局内で自ら指示を出して進めたのが一つ。また別の組織としてコンプライアンス推進室があり、ここで関係者の事情聴取をした。これが二つ目。もう一つ。内部監査委員会を設けているが、ここが別途、重ねて、社内の事情聴取をした」 Q 事情聴取のなかで、うすうす証言がおかしいんじゃないかと思っていたとか、報道されている内容よりも悪質な証言はあったのか?  久保社長「現時点で私が報告を聞き、判断したかぎりでは、そうではない。逆にいうと、単純に信じてだまされてしまった。だから裏取りや詰めが甘いというのではない。ご迷惑をおかけしているというのは、通常の報道はこの程度のもので行われているのかという疑義を放送業界に対して言われるのは申しわけない、たえられない、とういうこと。一般の報道マンはもっと真摯に仕事に取り組んでいると思っている」 Q 虚偽報道が生まれるにいたった背景は何があると思うのか?  久保社長「するどい質問ですね。まさに私が職を辞するほどの激震であるとうことを、報道局の管理職および、一般社員がどの程度理解していたか。一言で言ってしまえば、平凡だが、記者の教育とか、研修とか、最近のテレビジャーナリズムを取り巻くさまざまな声、動きをどう認識しているか。内部告発が増えてきて、それをもとにする報道が、20年前とは違う検証、取り組みが要求されている。記者自身の取り組み方、あるいは管理職の管理職、指導チェックがどうだったのかということ」 ・・・ちなみに、今回の社長退陣記者会見では日テレ側が会場に入れる人間を制限したり、カメラの持ち込みも不可したりという異例の形で行おうとしたため、記者などからは批判が集中。結局、会見は二度行うことになり、二度目ではテレビカメラの撮影も許可されることになった。 「取材される側」と「する側」、立場が変わるとこうなってしまうという哀しい事例ですね。ちなみに久保社長は読売新聞社出身、日テレでの現場の最後の肩書きは、元報道局次長です。

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