タイムスクープハンターの魅力

「タイムスクープハンターは面白い!」と、最近ずっと周囲に言って回っている。「何が面白いの?」と聞かれると「とりあえず、役者の”頭”を見て欲しい」と答える。時代劇なのに、カツラなんかかぶっているヤワな役者は一人もいない。ほぼすべての役者が月代を本当に剃っている。別に頭を剃っているからこの番組が面白いのではない。剃った頭に象徴されるような「本気度」が随所に見られるのが魅力なのだ。タイムスクープハンターはNHK総合で・・・

(続き)月曜 22:55 - 23:25に放送されている。08年秋に放送されたパイロット版が好評で、09年4月よりレギュラーに昇格。1stシーズンはスペシャルを含め9回放送され、現在放送されているのは2ndシーズン(計10本)である。 スタイルは、「SF+時代劇」である。 未来からタイムワープした時空ジャーナリスト(要潤)が、教科書に載らないような歴史の一コマをリポートする。(映像は要がヘッドギアに付けているカメラの映像という設定のために、よく揺れている。) 要潤以外に著名な出演者は登場しない。しかし役者たちの熱演によって、当時の庶民の様子を面白く見ることが出来る。 この番組が取り上げるネタは、いわゆるリサーチ中に「このネタ面白いなぁ」と思いながらも「でも地味だからなぁ」と捨てざる得ないような話ばかりである。ヒーローも出てこないし、大事件も起きない。だが、ちょっと人に話したくなるような面白さがあるのに、取り上げることが出来ない。テレビ制作者なら誰でも経験がある歯がゆさだ。 この番組の制作者の勝利は、こうした地味ネタを成立させるために、時空ジャーナリストのリポートという「器」を考えついたことだ。この器のおかげで、視聴者は「なぜこのネタを見なければならないか」という前提を気にする必要が無い。ネタを見る理由は、時空ジャーナリストがリポートしているから見る。それだけである。 どのネタも面白いのだが、個人的に一番、印象に残っているエピソードは「速報セヨ!旗振り通信」 これは明治時代、大坂の米相場を一刻も早く他の地域に伝えるために、数十キロごとに離れた山の上で、旗と望遠鏡を使って価格情報をリレー式に伝えていたという話である。 要潤は、冒頭で「旗振り通信」の役目を伝えるが、それ以外はベテランと新米という二人の旗振りの熱いドラマである。番組を見ながら視聴者は、携帯やネットの無い時代でも、価値のある情報は日本を駆けめぐっていたということを知るのである。しかもエンタテイメントという手法で。 この番組の最後には、脚本・演出:中尾浩之というクレジットが出る。こうした真に野心的な番組は、きっと一人の人間の頭の中から生み出され、その人間の熱意が周囲を巻き込み、具現化してゆくものなのだろう。フォーマットとして海外にも輸出して欲しい番組の一つである。

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