Mail Magazine Vol.668 2012/7/15  『大津の事件 いまさら聞けない、ニ​ュースな言葉』

みなさん、こんにちは。7月の第3月曜日(明日)は海の日で祭日。


ということで、今週末は3連休です。

関東地方では今年一番の暑さを記録する地域も多く、
子ども達には絶好の三連休となっています。
一方、先週から大雨に見舞われている北九州地域では、
依然として突発的な豪雨が続き、
土砂災害や河川の増水などが危険な状態です。
どうか被害がこれ以上大きくならないよう祈っています。

さて金曜日の夕方、
同僚が「ちょっと行ってくる」とオフィスを抜け出しました。
行先は、毎週金曜日の夜に
総理官邸前で行われている反原発デモです。

東北に知人の多い彼女は、震災後、福島にも
しばしばボランティアとして訪れており、
そこで感じるものがあったのか、
今は反原発派になりました。

そんな彼女はデモから職場に戻ると、、
警察への不満を口にしました。

まず、警官の数が目に見えて増え、
規制が厳しくなっているとのこと。

例えば、それまで移動が自由だったエリアにも
警官がびっしりと立ち、通行を禁止しているので、
狭いエリアに人があふれ、
逆に危険度が増しているのだそうです。

好意的に見れば、
警察による規制の強化は事故を防ぐためのものです。

今回のデモは一般市民の参加者が多く、
そのため統制が取れていないと言われています。
こうした群衆は、ちょっとしたきっかけでパニックに陥ることがあり、
大きな事故につながる危険性があります。
そうしたことを警察は警戒しているのだと思います。

一方、うがった見方をすれば、
警察は厳しい規制を敷くことで参加者のイライラ感を募らせ、
違法行為が起こるのを待っている…ということも考えられます。
そういうことが起きれば、
デモを抑え込むことが出来ますから。

同僚によれば、実際に警備が厳しくなるにつれ、
警官と参加者との間で、
小競り合いが増えているとのこと。

デモに参加している人には、
子どもを連れた若い親や高齢者も多く、
決して殺伐とした空気では無かったのに、
警察の方が雰囲気を悪くしている…と彼女は怒ります。

先週あたりから新聞の見出しに、
「解散」という文字が躍るようになりました。
消費税法案の次、政局は解散・総選挙へと向かっているのです。
(局の報道の人間によれば11月解散が有力だとか…)

しかし、その争点に
「原発再稼働の是非」の文字は見当たりません。

私はデモに参加した人の考えが、
必ずしも国の総意とイコールだとは思っていません。
デモに敢えて参加しない人達の意志も考えなければなりませんし、
首都圏と地方では、この問題に関して
温度差があるとの意見も聞きます。

ただ、この問題に多くの国民が関心を寄せているのは事実ですし、
そうしたことに政治家が目をそむけながら前へ進むことには
断固反対です。

永田町の先生方、毎週金曜日のシュプレヒコールは
これからも続きます。
そして再稼働する原発の数が増えるたびに、
その声は高まっていくはずです。
厄介ごとを警察に押し付けても、
物事の解決策にはなりません。

そろそろ重い腰を上げたらどうですか?


■■■大津の事件■■■

私は、大津という場所に行ったことがありません。
大津と言えば、昔、歴史の授業で習った
「大津事件」のことがぼんやりと頭に浮かぶだけです。

(大津事件:明治24年、来日中だったロシア帝国皇太子が
大津町で警備にあたっていた警察官に斬りつけられた
暗殺未遂事件)

改めて、大津について調べてみれば、
琵琶湖の南に位置する滋賀県の中核都市で、
隣接する京都のベットタウン的な街とのこと。
そしてまた、比叡山延暦寺をはじめとする
多くの寺社仏閣や史跡がある古都だそうです。

なぜ、大津が気になるのか…?

それは、ここ最近、
大津の名を連日のように目にしているからです。
テレビ、ネット、雑誌、新聞…。
そして大津について報道される内容は、
胸が痛むものばかりです。

経緯は以下のようなものです。

昨年10月、
大津の市立中学校に通っていた
2年生の男子生徒が飛び降り自殺をしました。
13歳でした。
遺書は残されていませんでした。

自殺が起きた後、
市の教育委員会は全校生徒を対象に
生徒の死に関するアンケートを実施しました。

すると回答から、
自殺した生徒が、同じ学年の生徒数人から、
連日のようにいじめを受けていた実態が分かりました。
殴る蹴るの暴行を受けたり、ズボンをずらされたり、
手足を縛られてハチの死骸を食べさせられそうになったことも
あったそうです。

さらに生徒は「自殺の練習」をさせられていたという
衝撃的な回答もありました。

しかし、市教委はその内容を公表せず、
また生徒への調査も十分には行わないうちに、
「いじめと自殺には因果関係が見つからなかった」と
調査を打ち切っていました。

ちなみにこの時、加害者と思われる生徒が
聞き取り調査を受けていますが、その時の答えは、
”ふざけていただけ”というものでした。

一方、自殺した生徒の父親は「真相を知りたい」と、
大津署へ被害届けを出しましたが、
なぜか、受理拒否を3回も受けてしまいます。
受理を拒否した理由について警察は今も
「一切、答えられない」と回答するのみです。

物事がようやく動き始めたのは、
事件から9か月たった、今月頭です。

警察を頼っても無理だと思った自殺した生徒の両親は、
加害者と思われる同級生3人と市に対し
損害賠償の訴えを起こします。

すると審理の途中で、
問題のアンケート(2回行われていた)の結果が明かになり、
執拗で陰惨な”いじめ”の内容が明らかにされたのです。

例えばアンケートには、
「自殺の練習と言って首を絞められていた。」
「葬式ごっこをさせられていた。」
「自殺していた生徒が、万引きの強要をされ、
 しなかったら殴る蹴るの暴行を受けていた。」
「銀行口座の暗証番号を言わされ、お金を引き出されていた。」
「自殺の直前には、自宅に押し入られ、品物を盗まれていた。」
…などの回答もありました。

こうした回答がありながら、なぜ”いじめ”は否定されたのか…。
市教委は、アンケートの内容を
”見落としていた”と発表しています。

見落とし…って。

こうした、市、市教育委、学校などの胡散臭い対応から、
組織ぐるみで事件の隠蔽が行われていたのでは?
という疑惑も噴出しました。

そうした点を徹底追及したのは
実はマスコミではなくネットでした。

巨大掲示板ではこの事件関連のスレッドが数多く立ち、
様々な事実が明らかにされました。

例えば、加害者と思われる3人の生徒の名前、
家族の職業、顔写真、転校先の学校(事件後2人が転校)などが、
次々と掲示板に載りました。

ネットの動きが加速したのは、
いじめていた生徒の身内に、
以下のような人間がいたことが判ったからです。

親がPTAの会長、
親が社長、
親が京大医学部を卒業した裕福な医師…

地元の有力者の子どもたち…

当然、何等かの配慮が働いたに違いない…

市教委や学校は、組織防衛のために
団結していじめの隠蔽を行ったのでは???

やがてネットでの盛り上がりはマスコミも動かし、
新聞、テレビがこの事件を連日取り上げるようになります。

同時に、こんな事件も起きます。

フジテレビのワイドショー番組が、
事件に関する資料を放送した際、
個人名を隠すために編集で付けた黒塗りが、
なぜか大型テレビで見ると透けてしまい、
いじめを行っていたとされる生徒たちの
名前が分かってしまったのです。
(フジテレビは後に謝罪)

正直な所…なぜこんなミスが起きたのか…疑問です。

やがて、高まる世間の関心を無視できなくなったのか、
様々な組織が重い腰をあげます。

大津警察は事件から9ヶ月後の今、捜査に乗り出し、
学校を捜索、
文科省は「市教委や学校に当事者能力が足りない」として、
職員を大津に派遣、
問題解決に乗り出すことになりました。

今回の事件についてまず私が感じたことは、
少年たちの中で行われた行為の残酷さです。

それは学校が発表したような
「悪ふざけ」や「ケンカの延長」では決してなく、
さらに言えば「いじめ」という言葉から連想されるものよりも、
ずっと陰湿で執拗なものでした。

我々は、13歳という年齢であっても、
こうした行為を行うことが出来るという
事実を認めなければなりません。

同時に、大人の醜さです。

「自殺の練習など無かった」
「マスコミには何もしゃべってはいけない」と、
全校生徒に対し校内放送で語ったという校長。

自殺した少年の姉が泣いて訴えたら、
「大丈夫か?」と笑いながら、
加害者生徒が居る前で聞いたという教師。

イジメと自殺の因果関係を
認めようとしなかった市教委。

さらに、様々なシグナルを見落としていた親たち。

事件の向こうには、子どものことよりも、
自分たちのことを優先して考える
醜い大人の姿が透けて見えます。

ある人が、今回の件で子供達は、
次のように思うのではないか…言っていました。

「大人たちは何もしてくれない。」
「大人たちは嘘つき。」
「ネットだけが正義の味方。」

確かに…子ども達にはそう見えるかもしれません。

ただ、次々とさらされる個人情報や、
事実確認を後回しに、思い込みで暴走する姿を見ると、
ネットから生まれる新たないじめの構図も
見えてくるような気がします。

失われた13歳の命は帰って来ませんが、
後は同じような事件をどうしたら防げるか、
そこが残された人間の課題だと思います。


■■いまさら聞けない、ニュースな言葉■■

オスプレイって何?

オスプレイ(Osprey)とは
米軍の垂直離着陸輸送機の愛称。
タカの一種である「ミサゴ」の意味です。

飛行機のような機体に
二つの回転翼をもったオスプレイは、
ヘリコプターのような垂直飛行と、
飛行機並みの高速飛行が可能という
ヘリコプターと飛行機の良いとこ取りをした
夢の輸送機のはず…なのですが、
開発時期から事故が多発。
挙句は「未亡人製造機」なる悪名まで付けられています。

そのオスプレイが近々沖縄の米軍基地へ
配備されるということで、
地元では反発の動きが強まっているのです。

配備に反対している人々は、
沖縄の普天間飛行場が市街地の真ん中にあることから
墜落事故が起きたら
大惨事になる可能性があると主張しています。

それならば、もう少し安全性が高まってから
配備しても良いかと思うのですが…

米軍が配備を急いでいる背景には、
現在輸送で使われている機種が、
ベトナム戦争にも使われた老朽化したものであること。
またオスプレイに空中給油すれば、
北朝鮮や中国まで飛行が可能なことから、
アジア戦略の大きなカギになると考えているからです。

この問題(地元への説得)は
先月の内閣改造で、一般民から防衛大臣に就任した
森本さんが孤軍奮闘している状態。

ただ防衛知識豊富な森本さんといえども、
地元の理解を得るのは、
「Not Confident(自信がない)…」

記者会見で森本さんが漏らした本音です。


PS
前号でその誕生を祝ったパンダの赤ちゃんが
11日に亡くなりました。
「母乳が気管につまり呼吸不全を起こした」が原因。

上野動物園で赤ちゃんパンダが生まれたのは24年ぶり、
自然交配により生まれた初めてのパンダということで、
かなり盛り上がったのですが、
残念な結果に終わってしまいました。

ちなみにパンダに対して「全然興味ないあんなもの」と語り
赤ちゃんの名前を「センセン」または「カクカク」にしようと提案した
石原都知事のコメントは以下の通りでした。

「かわいそうだね。動物だからね、死にますよ。
犬の子供だって猫の子供だって、死ぬときは死ぬんだから」

赤ちゃんの死後、多くの市民が献花などをしたことには、

「泣いてる人がいたけど、ちょっとたまげたね。」

…と相変わらず素っ気ないすね、石原さん。

ということで、また来週!

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