Mail Magazine 2008年2月1日 『餃子パニックの拡大』


Mail Magazine 2008年2月1日『餃子パニックの拡大』



みなさん、こんにちは。

今週は「ギョーザ」一本でいきます。
ギョーザの嫌いな人、ごめんなさい。
でも、今週最大のニュースですし、今年最大だと思います。(いまんとこですけど)
今週、水曜日に事件が発覚して以来、まさしく、日本列島"ギョーザパニック"。
最近の日本は色んな意味で「平和」で「脆弱」な国になったとは思っていましたが、まさかギョーザにやられるとはねぇ・・・。
ショックだなぁ。

★パニックのスタート?

第一報が流れたのは、1月30日(水曜日)の夕方。
各マスコミは以下のような感じで、このニュースを伝えました。

「・・・昨年12月28日から今月22日にかけ、中国製の冷凍ギョーザを食べた千葉と兵庫の3家族、計10人が吐き気や下痢などの食中毒症状を訴えた。 症状は重く、10人中、9人が入院。小さな女の子(5)は一時、意識不明の重体だった。」

最初の食中毒が起きてから発表されるまで一ヶ月以上。
これは掛かりすぎです。
調査の結果、警察、保健所、メーカーと、それぞれの不手際が重なり、いたずらに時間を浪費してしまったことが分かっています。
それとも早い段階で「これは国際問題になる」と気づいた切れ者がいて、調査に時間をかけたのでしょうか?

冷凍食品は生鮮品と違い、食べる期間が様々です。
早めに発表していたら、後続の食中毒は防げたのでは?と思ってしまいます。

★☆農薬入りギョーザ?

何が食中毒の原因となったのか?
警察が見つけたのは意外な物質でした。
「メタミドホス」

メタミドホス???
これ、有機リン系の殺虫剤でして、農薬として主に使われています。
とは言え、地下鉄サリン事件で使われた、サリンと化学式が似ていることもあり、毒性が強く、日本では随分前に使用禁止になっています。

ギョーザが作られた中国でも、最近になって使用禁止になりました。
しかし、なにせ広い国です。
まだ徹底されていないと言われています。
そして近年中国では「メタミドホス」関連の食中毒事件が、何件か起きています。
例えば、先月、広東省で起きた事件では、スープを飲んだ農家の人達が食中毒を起こしました。
原因は、スープに入っていた木の実に付いていたメタミドホスでした。
10日ほど前に散布した成分が残留していたのです。

★☆★JTと生協がごめんなさい

問題のギョーザはいずれも中国・河北省にある「天洋食品」で製造されたものでした。
輸入していたのは日本たばこ産業(JT)の子会社である「ジェイティフーズ」。
そのうち、千葉で食中毒事件を起こしたものは、生協(Co-op)が自社ブランド商品として売っていたものでした。

そのため、JTと生協は、30日夜に揃って謝罪の記者会見を開きました。

「あれ?JTってタバコの会社じゃない?
なんでギョーザ売っているの?」って思ったあなた、正解です。
JTの正式名称は日本たばこ産業株式会社。
その前進は、タバコと塩を独占的に販売していた、日本専売公社です。
それが民営分割で日本たばこ産業株式会社になったのです。

未だに、国が50%以上の株を持っているこの会社は、驚くほど巨大です。
従業員、約4万5000人。
売上高、連結で4兆7千億円強!
虎ノ門に本社ビルがそびえ立っているのですが、こちらがまた巨大でして、見上げるとクラクラします。

その日本たばこ産業株式会社。
将来の成長が見込めないタバコから、バイオを含む総合食品産業へと、加速度的に変身中でした。
この会社、儲かっているだけあって、番組をたくさん提供しているのですが、呼び名はいつもJTという「タバコ」を感じさせない略称を使用。
缶コーヒー(ルーツ)は好調だし、加ト吉を買収して冷凍食品事業を充実させたり・・・。
それがねぇ・・・。

本当だったら今日はJTにとって"晴れの日"となる予定でした。
というのも、かねてより青少年の喫煙を助長すると批判が多かったタバコの自動販売機に、年齢を証明するカードを入れないと買えないようにする、という新システム「タスポ」のお披露目の日だったのです。
しかし、ギョーザのせいでイベントもパー。
株価も5万円も下がっちゃった。

一方の、生協(CO-OP)。
もしかしたら、JTよりダメージが深いのは、こちらからもしれません。

生協は正式名を生活協同組合と言いまして、1945年に発足しました。
消費者が様々な事業を共同で行うための組織として始まり、大きな柱の一つが、組合員による商品の共同購買活動でした。

なので(若い人は知らないでしょうが)、昔は、生協のお店では組合員カード見せないと買い物が出来ませんでした。

しかし生協と言えども、大量生産された安い品を売らないと商売になりません。
なので最近の生協は、並んでいる品目は、イトーヨーカドーとほとんど変わらないフツーのスーパー化していたのです。

それでも生協のセールスポイントは、「安全、安心」とか「消費者の目線での商品選び」でした。
逆にそう言わないと存在意義が無いし。
だからこそ・・・今回のギョーザ事件は痛いのです。

千葉で食中毒を起こしたギョーザの袋には、Co-opマークがバッチリ付いてますし。
生協さん、ブランドの回復には時間掛かるでしょうなぁ・・・。

★☆★☆拡大!拡大!拡大!

さて事件が報道されるや、問題は一気に拡大します。

まず、たった一日(1月31日)で、38都道府県494人もの人々が、「天洋食品」または「中国製食品」を食べて気持ちが悪くなったと訴え出ました。
その中にどれくらい「メタミドホス」中毒の人が含まれているかは不明ですが、食べ物って気分の問題もありますんで、自覚症状を覚える人の数は今後も増えると予想されます。

一方、監督官庁である厚生労働省は、「天洋食品」製の食品および、それを輸入していた会社名の公表に踏み切ります。
その数、19の会社(味の素、マルハ・・)と88品目(ロールキャベツ、牛丼・・・)。
うーん、大手ですね天洋さん。
さらに厚労省はそれぞれの企業に対し、「天洋食品」」の製品の発売中止を要請しました。

こうした動きに食品関連業界は敏感に反応。
「天洋食品」を含む中国製食品全体の販売自粛の動きが始まったのです。

例えば、成城石井。
事件翌日には、すべての中国製冷凍ギョーザを撤去しました。
そして、紀ノ国屋。
こちらは国産を含むすべての冷凍点心類を撤去。

どうせ誰もギョーザ買わないでしょうが、それでも国産品まで含めるのはかわいそうーじゃない?紀ノ国屋さん。
点心に罪はないぞー!

さらに問題は拡大します。
実は中国製食品は一般小売り用だけではなく、レストランなど外食産業でも多く使われています。
火の粉は当然こちらにも・・・。

例えば、すかいらーくグループ。
日本全国に、ガスト、小僧寿司など4000以上の店舗を抱える外食産業大手。
なんと事件翌日には、全店舗での中国で加工した食品の使用中止を決定しました。
ひぇー、バーミヤン(同グループの中華店)の190円餃子はどーなるの??

★☆★☆★そして今日・・・

☆大臣は語る
舛添厚生労働相が、予算委員会で「天洋食品」の製品を輸入禁止措置にする考えがあることを明らかにしました。
今更、誰も輸入しないと思うけどね。

☆専門家は語る
その後の調査で、問題のギョーザに含まれていた「メタミドホス」の濃度がめちゃくちゃ高かったことが判明。
今晩のNHKニュースには専門家が登場し、「(この量を見ると)残留農薬とはほぼ考えにくい」と言っていました。
え?
・・・つうことは?

農薬が残留したんでなければ、どーやって「メタミドホス」がギョーザに入るのよ。
思わせぶりせずにもっと教えてくれ~~。

☆ギョーザは語る
千葉で食中毒を起こしたギョーザからは、「メタミドホス」がギョーザの身ではなく皮の方に、含まれていたことが判明。
・・・じゃあ小麦粉???

さらに兵庫のケースでは、ギョーザの入っていた袋に3ミリ大の穴が空いていることが判明。
しかも千葉の袋には穴はあいてなかった・・・。
・・・穴???

★☆★☆★これから

どうやら騒動は海の外にも拡大しそうです。
中国製食料品の輸入が大きい韓国でも、この問題は大きな話題になっているそうですし、中国からも検査官が日本に来ることになりました・・・。
日本、中国両国のサイトでは、刺激的な言葉が飛び交ってるし。
夕刊には「意図的?」なんて書かれ始めてるし・・・。
北京オリンピックを直前に控え、ギョーザは日中関係にどこまで影響を与えるのか?
今後の両国の対応が気になります。

○○蛇足

さて、ここから下は個人的な感想です。
食の安全は確かに大事な問題だと思います。
それから、中国の食の安全基準に甘いところがあるのも事実で、改善するシステムを早く作って欲しい。

ただ、今回の日本全体がいきなりパニックに陥ったような展開には「あれあれれ・・・???」とも思います。

ギョーザ食中毒報道からたった一日で、全国規模での中国製食品の排斥運動に広がるのは、おかしいし、なんだか気持ち悪い。
ちょっと、この国大丈夫?って感じがしてしまうのです。

まぁ、こうしたギョーザパニックは、公園の主婦をつかまえてニュース番組とかで「もう中国製品は怖くて食べられません」なんて言う声を次々と紹介するマスコミもいけないんですけどね・・・

さてギョーザ好きの私としてはどうしよう?
今週末、愛情を込めた手作りギョーザ作ってみようかな。
家族は嫌みだと思うだろうなぁ。

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