Mail Magazine 2009年8月8日 『人間ヤメマスカ  歴史的裁判  すこし愛して、ながーく愛して』


Mail Magazine 2009年8月8日『人間ヤメマスカ  歴史的裁判  ながーく愛して』



みなさんお元気ですか?

8月に入り東京もやっと夏らしくなってきました。
今日は暑かったですよ~。

さて、毎週このメルマガを書く時は、まず、ネットを覗いたり、新聞を集めたりして、その週に起きたニュースを探します。
もちろん目立ったニュースが無い週もある訳で、そういう時は、昼休みに本屋に行ったりして、別の話題を探します。
書き手としては、後者の週の方が辛いです。
ネタを探すまでに時間がかかりますから。

さて今週ですが・・・

ネタ選びに困るどころか、超大ネタばかり。
ひゃー、どれから書いたらいいのかと、久々に贅沢な悩みを経験しました。
ということで、今週はちょっと長いですが、よろしくお願いします。

■■■クスリヤメマスカ、人間ヤメマスカ■■■

★3日(月)

こんにちは、メディモン2号です。
月曜の夜は、子どもを寝かしつけた後、ドラマを見ました。
すると「ニュース速報」が流れてきて・・・

・・・・俳優、押尾学が麻薬取締法違反容疑で逮捕・・・

押尾 学(おしお まなぶ) 31歳。
幼少期をLAで過ごした帰国子女の俳優/歌手。
確かにイケメンではありますが、俳優としても歌手としても、これと言った代表作は無く、本業より、女優の矢田亜希子さんの夫という印象が強い人。

押尾学との恋愛が発覚した頃の矢田さんは、女優として、ノリにのっていた時期。
なのに、選んだ相手が「遊び人」のイメージが強い、押尾学と分かり、事務所を始め、周囲は猛反対。
それを押し切っての結婚でした。

そんな彼が、麻薬で逮捕という報道には、ビックリしましたが、本当に驚いたのは、その後です。

なんと、彼が逮捕されたきっかけは、別宅として使っていた六本木の高級マンションの部屋から、女性の変死体(しかも全裸)が発見されたからだと言うのです。

変死体? 全裸?

事件の概要はこんな感じです・・・

亡くなった女性は31歳の銀座の売れっ子ホステス。
押尾容疑者とは半年前から不倫関係にあった。

事件のあった夜、押尾容疑者と女性は錠剤(MDMA)を飲んだ。

二錠目を女性が飲むと様態が急変。
口から泡を吹き出した。

押尾容疑者は心臓マッサージをしたが、女性は死亡。
怖くなった彼は、友人とマネジャーを呼び出し、自分は部屋から立ち去った。

マネージャーが警察に通報。
警察は押尾容疑者の関与を知り、任意同行を求める。

警察での尿検査で薬物の陽性反応が出る。

逮捕

妻である矢田さんは、夫の逮捕を聞き、泣き崩れたと言います。

彼女からしてみたら、周囲から反対されて結婚し、自分だけは信じてここまで来たのに、女、麻薬、二重に裏切られた気がしたのかも知れません。
(金曜日夜、矢田さんから離婚届けが出されたことを事務所が発表しました。)

今回の事件で、私がオイオイ・・・と思うのは、押尾容疑者が、二人で飲んだ錠剤について、死んだ女性から渡されたもので、自分は違法とは知らなかったと供述している点です。
真実はわかりませんが、彼女は亡くなっていますから、何の弁解も出来ません。

もう一つ。
みるみる様態が変わっていく彼女を前に、救急車も呼ばず、通報まで3時間近くも放置していたこと。
予想外の出来事に動転したのでしょうが、なんだか、自分の身を第一に考えて行動したみたいで、しっかりしろよ!と思ってしまう。

余談ですが・・・・

押尾容疑者は、この事件が起きる前から、2ちゃんねるなど、ネット上では、"お塩先生"と呼ばれる話題の人(?)でした。

彼の発言の数々が、「押尾語録」として、ネットに次々と書き込まれていたからです。
本当に本人が言ったかどうかは分かりませんが、いくつか、挙げてみましょう。

「押尾学の”学”は、俺が何かを”学”ぶんじゃなくて、お前らが俺から"学"ぶってことなんだ」
「バイクは好きだね。っていうよりも、バイクが俺を求めてる」
「ロックとか、パンクじゃなくて、押尾学というジャンル」
「グラミー賞が、俺を待っている」
「俺は記録にも記憶にも残る男だ」
「ドラマになんて二度と出ない。俺の人生の方がよっぽどドラマチックだろ?」

・・・はい、確かにあなたの人生はドラマチックです。

最後にもう一つ「押尾語録」を。

「最近の日本の男はちょっとなさけねえよ」

あなたも、情けない男の一人です。

★3日深夜

同じ日、もう一つ、クスリ関係のニュースが飛び込んできました。

元アイドルで女優・歌手の酒井法子(のりピー)彼女の夫で自称プロサーファーの高相祐一容疑者が、覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕されたのです。

酒井法子(さかいのりこ) 38歳。
90年代に一世を風靡した清純派アイドル。
「うれぴー」「やっぴー」など独特な言葉遣いで、「のりピー」の愛称で親しまれた。
女優としては、ドラマ「星の金貨」が代表作。

続けて起きた、芸能界とクスリをめぐる二つの事件。
ただ、最初のうちは押尾学の事件の方が大きく報道されていたのです。
というのも、のりピーの方は本人ではなく、彼女の夫が逮捕という事件だったからです。

ところが翌日になると、扱いが完全に逆転しました。

というのも、のりピーの所属事務所が、事件発生後から彼女の行方が判らなくなったとし、家出人捜索願を警察に提出したからです。

実は、のりピーは夫が逮捕された瞬間に立ち会っています。
夫は渋谷の路上で警察官から職務質問を受け、逮捕されるのですが、その時に夫がのりピーを電話で呼び出しているのです。

のりピーは警官が夫の下着に隠しているもの(何かを隠しいるのがバレバレだったらしい)を見せるように言うと、
「下半身の薬だからみせられない」と説明。
しかし、簡易検査で袋の中身が覚醒剤と判明すると、その場で泣き崩れたといいます。

ところが、のりピーはこの逮捕劇の直後から、10歳になる子供と一緒に行方が分からなくなってしまうのです。 多くの人が心配したのは、夫の逮捕にショックを受けたのりピーが思い詰めた挙げ句、自分と子どもの身を危険にさらしてしまうのでは?ということでした。

しかし昨日になって、
「子どもは友人宅に預けられていて無事」というニュースが入りました。
良かった・・・子どもだけでも見つかってと、ホッとしたのもつかの間、今朝になって、またしても驚きのニュースが飛び込んで来ます。

「酒井法子容疑者に逮捕状 覚せい剤所持容疑」

えー、えー、えー? 容疑者? 逮捕?
のりピーもクスリやってたってことー!?

どうやら、先に逮捕された夫が、
「妻も使用していた」と供述。
さらに自宅から使用器具などの証拠品が見つかり、のりピーに対する容疑が固まったようです。

この知らせ、視聴者にとってもショックでしたが、テレビ出演者にとってもショックだったみたいで、第一報が入ってきた時、ワイドショーのコメンテイター達、 みんな絶句してました。
確かに、のりピーって、真面目&良き母親って印象で、イメージが、麻薬とは全く結びつかないからなぁ・・・

さて、この原稿を書いている瞬間も、のりピーは行方不明です。
しかも、今は「失踪者」から「逃亡者」となり、警察から追われる身になってしまいました。

続報によれば、のりピーは・・・

*一人ではなく知人の男性が運転する車で逃げている・・・
*逃亡中に、子どもの所に電話をかけてきた・・・
*ATMで数十万単位のお金をおろしている・・・

・・・などなど、「逃亡説」を裏付ける情報が次々とあがってきています。
中には、失踪は覚醒剤を抜くための時間稼ぎだと言う専門家さえもいます。

まだまだ、真実は藪の中ですが、のりピーには一刻も早く出てきて欲しいです。
両親が一瞬のうちに消えてしまった、10歳の息子さんのためにもね。

それにしても、クスリは怖いです。
本当に人生を狂わせてしまう。
それを思い知った一週間でした。

■■■歴史的な「えーと」■■■

ここからメディモン1号です。
今週月曜日に始まった全国初の裁判員裁判が木曜日に終わりました。

場所は東京地裁、期間は四日間。
裁かれたのは殺人事件でした。
都内に住む72歳の男性が、隣人の女性と口論の末、サバイバルナイフで相手を刺殺したのです。

この事件でもマスコミは張り切りました。
各社とも沢山の記者+似顔絵作家を傍聴させ、法廷でのやりとりを克明に再現。
声優たちを使って、裁判員の発言を臨場感たっぷりに語らせて、まるで裁判ドラマでした。

ここで「裁判員裁判とは何か?」を簡単におさらいしてみましょう。
(知ってる人は読み飛ばして下さいね)

裁判員(さいばんいん)とは、日本版の陪審員のことです。
市民から選ばれた裁判員(6名)が参加し、裁判官(3名)と共に事件を裁きます。

実は戦前の一時期、
(1928年〈昭和3年〉から1943年〈昭和18年〉まで)
大正デモクラシー運動の影響で、市民参加の裁判が行われたことがありました。
しかし、戦争が始まると兵隊に取られる人が増え、陪審員名簿を作ることが難しくなったため、制度は定着する前に停止されました。

その後、長らくの間、この制度は復活しなかったのですが、法曹界を中心に市民が司法に参加することの重要性が論議されるようになり、ついに小泉政権の時に5年後の今年、制度を復活することが決まったのです。

ここで重要なことはですね・・・

裁判員制度を「やろーぜ!」と言って実現させたのは、法律関係者の人達が中心であって、市民が「やりたーい!」と求めた制度ではないということです。

むしろ国民のほとんどは・・・
、 「人を裁くなんて責任が重すぎる」
「死刑なんて言い渡せない」
「残酷な写真なんて見たくない」
「裁判員になって仕事の邪魔されたくない」・・・等々、
「やりたくないーーーい!」という声が圧倒的に大きかったのです。
まぁ、それでもこの制度は国の強力な後押しで、始まることになった訳です。

栄誉ある第1回裁判員に選ばれたのは、30~60代の男女8人。
(うち2人は補充裁判員)
約5,000分の1という高倍率に当たってしまった運の強い(弱い?)人達です。

彼らの職業は、会社員、栄養士、ピアノ教師など様々。
中にはこどもを保育園に預けて参加した主婦もいました。
(プライバシー保護のために、裁判員の名前や個を特定するような情報は公開されていません。
ただ判決後、撮影を承諾した5人だけが顔を出して取材に応じました。)

さて、今回、マスコミが一番盛り上がったのが、裁判員がどのタイミングで証人や被告に「質問」するか?という点でした。
ようするに市民が裁判所で発言するという、歴史的な第一声に注目した訳です。

初日は、裁判員からの質問無し。
法廷に現われた裁判員は極度の緊張で、みんな顔が引きつっていたそうですから、そりゃー、無理です。

二日目。
被害者の息子が証人として出廷。
殺された母親の性格について、
「周囲に慕われていた」などと証言しました。
すると、裁判官にうながされるような感じで4番の女性がついに口を開く。

「えーと・・・、先ほど話された(お母さんの)人物像と、調書の内容が食い違う点がひっかかるんですけれど……」

実は、息子さんは警察に質問(調書)された時は、お母さんの性格を
「きつい性格で、余計な一言を言うことがあった」と語っていたのですね。
その違いを問いただした訳です。
この質問で他の裁判員たちの緊張もほぐれたのか、残り二日間で6名の裁判員全員が質問を行いました。

さて注目の判決ですが検察の求刑16年に対し、懲役15年。

この15年という数字。
法曹界のプロの間では「やや、重い」と言う声が出ています。
というのもこれまでの例では検察側の求刑の8割程度の量刑で判決が出ることが多く、今回の場合で言うと、懲役10~13年というのが相場。

これに対し、市民感覚では、人を殺して懲役10~13年というのは短すぎると感じたのでは?と推測する人もいます。

さてマスコミはこの第1回市民参加裁判に対し、
「うまく言った!良かった!」の大合唱ですが、いくつかの問題点も浮き彫りになりました。

例えば、現在の制度では、検察、被告側が判決を不服として控訴した場合、次の高裁、その次の最高裁では、裁判員制度は適応されません。
そうなると、市民が参加して出した判決の重みは?と思う人も出てくるでしょう。

また、これからも相場より「重めの量刑」が続くようでしたら、裁判員制度は被告にとって、不利なシステムということになります。

いずれにせよ、始まったばかりの制度です。
今後、自分がその役に当たる可能性もある訳で、今後も慎重に見守っていきたいと思います。

最後に・・・
■■■すこし愛して、ながーく愛して■■■

6日夜、女優の大原麗子さんが自宅で亡くなっているのが見つかりました。
享年62歳でした。

最近連絡がつかないと家族が警察に通報。
警官と共に家に入った所、発見されました。

晩年の彼女は手足に力が入らなくなり、歩行障害などを起こす難病、「ギラン・バレー症候群」が悪化。
女優業を休止し、闘病生活を送っていました。

大原さんは、渡瀬恒彦(俳優)、森進一(歌手)と、二度の結婚・離婚を繰り返しました。
印象に残っているのは森進一と離婚した時、
「私は家事より台本を読む方が好き。私の家には男が二人居た。」と語ったことです。

『おはん』『春日局』『居酒屋兆治』・・・
様々な作品を残した彼女ですが、それらの作品と同じ位、もしくはそれ以上に、人々の記憶に残っているのは、80年代にシリーズで放映されたサントリーウィスキーのCMではないでしょうか?

大原さんが演じたのは、日本髪を結い和服姿で、夫の帰りを待つ妻。
最後には、少し舌っ足らずな調子で、
「すこし愛して、ながーく愛して」というセリフが入ります。

後で知りましたが、あれは名匠、市川昆監督の作品だったのですね。
彼女が演じた「可愛い妻」は、女優・大原麗子の真骨頂だったと思います。
ご冥福をお祈りします。

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